あたしだけ

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「ちょっとこっち来て~」 友達はそう言ってあたしを引っ張っていった。 友達はオフ会にいたもう一人ボーイッシュな女の子とあたしを抱かせた。 ボーイッシュな人はあたしを抱き締めたまま離そうとしなかった。 キスもされそうになったあたしは思いっきり突き放した。 友達はかなり酔っていたみたいで隣で喜んでいた。 最低。 そう思いながら逃げるように彼女の所へ戻った。 彼女は静かに1人で座っていた。 あたしに気付いた彼女は 「どうしたの?」 と優しい声をかけてくれて 安心したあたしは 泣きそうになって 彼女の足の下でしゃがみこんだ。 足に抱きついた。 もう離したくなかった。 その時彼女はきっと困ってただろうな。 だって 彼女には 彼女がいたから。
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