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僕の毛色は、艶やかな漆黒。
夜の闇に すっ と溶ける良い色だ。
これを利用しない手はない。
物陰に潜んで………ぱっ と飛び出す。
するとニンゲンは驚く。
僕はすっかりこの愉しい遊戯の虜となっている。
今日も僕はいつもの様に ぱっ とやった。
ニンゲンは変な声を出して、辺りを見回している。
僕はもう闇に溶けているから、目の悪いニンゲンからは見えない。
僕はほくそ笑んで、滑稽な仕草を堪能した。
暫くして、満足した僕は寝床に帰ろうと歩き出した。
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