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「東京ってやっぱいいね。なんでもある。遊ぶ場所も食べる場所もたくさんある」
彼女、真中志保(というらしい)が夕空を眺めて言う。
「確かに便利な街だね。電車もいっぱい通ってるし。」
「でも、やっぱりここがいいなぁ」
オレはその意見に激しく同意した。本当に良い街。こんなにゆったりした時間は過ごした事がない。
「オレもばぁちゃん家がここでよかった」
オレは朝礼台から降りる。
「東京じゃ初めて会ったヤツの話をここまで聞いてくれる人はいないなぁ」
じゃあ、と吐き捨てバイクのある校門に戻る。
「頑張れ、中学生ー」
「高校生でーす」
同い年か?見た目少し幼く見えたが、
偏見か。自分を責める。
エンジン音がこんなに響く日はそうないと思う。
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