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そろそろ日が暮れてきた。
ボールは全く姿を現さない。たちの悪いかくれんぼ。もう1人隠れたままのヤツがいる。
「もーいーかーい」
ひとりぼっちは誰でも寂しい。
「あ、あった」
一本の木にモノクロ色の五角形集合球体を見つけた。
「おーいあったぞー」
返事はない。もう帰ったのだろうか。
手柄を取るのは止めておこうと思った。なんか、落ち込ませてしまうって思った。
その木の枝に、携帯のストラップをかけて学校に戻った。
戻る途中に腕時計を確認した。
もう20時か。寒いな。
校門に誰かいる。真中だ。
「何してるんですかー」
泣いている女性は儚く、寂しく。
そう。哀愁に満ちている。
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