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「泣いてんの」
彼女に問う。
無反応。頬には涙の乾いた跡が見える。
「理由、聞くけど」
優しく聞いてみた。たまには。
「やっぱり、私は、最低」
星が綺麗だ。
「好きなサッカーをやってると、楽しいのに寂しくなる。一緒にやってるのはみんな男。一人違う世界で、なんか寂しくて」
「だから一人でやってたのね」
頷いてから続ける。
「中学校じゃバカにされた。私一人でサッカーやってて」
女子サッカー部はなくて、男子サッカー部の顧問に入らせてくれと頼んだこと。
女子がいると部の雰囲気が悪くなると言われた事。
泣きながら話してくれた。
ボールを蹴飛ばしたのは、オレがバカにしてると思ったからで。そうじゃないと気付いて探しに来た。
彼女は孤独なのかなと思った。
孤独なのだと思った。
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