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鉄馬にボールを返しに学校へ行った。
ボールを持って校門を抜けたら、既に誰かサッカーをしている。
真中か…それにしても楽しそうだな。素人が邪魔しちゃいけねぇか。
ボールを鉄馬の自転車のカゴに押し込んで、家に戻った。
「ばぁちゃん、ただいまー」
「あ、おかえりぃ。夕飯出来とるよ」
台所から食器を持ってばぁちゃんが出て来た。
「お。今日はほっけじゃん。好物好物。きゅうりの漬け物にあさりの味噌汁。冷や奴。天国だな」
「ご飯は何で食うかい?ふりかけ、のり、納豆、卵、梅干し…」
「このままでいいよ。あんがと」
二階に部屋をもらった。父さんが使っていた部屋だそうだ。
机、たんす、本棚、布団。必要最低限のシンプルな部屋。
ばぁちゃんに頼んで、電話の子機をこの部屋に置かせてもらった。さすがに携帯なしじゃ寂しいな。
大好きなビートルズをCDプレイヤーでかける。
「シーラブズユー、イェーイェーイェー」
歌声は初夏の湿った夜空に響き、ばぁちゃんに迷惑をかける。
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