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悲しい事にバレンタインデーの日。バイト先の客は9割カップルである。残り1割は常連で。
部活、バイトの先輩からチョコをもらうが2秒で消える。どんな思いで渡したかなんて解りたくもない。
ただ1人は違った。部活帰り。教室から出てげた箱に向かう廊下。メガネをかけたその女は僕に箱を押し付けて消える。
箱は綺麗にリボンで包装され、中身はあれだ。これもすぐに消してしまおうと思った。
中には四つ折りのメモ用紙。薄い敷き紙を挟んで微かにチョコが覗く。
とりあえずこのメモ。明らかにチョコを取ろうとする者を邪魔している。これから片付けようか。
中には11桁の数字。規則性が解らない。またその下に、今度はアルファベットも加えて長い文字の羅列。
アットマーク…ドットエヌイードットジェイピー…
携帯電話…
チョコを食べて脳が活性化したら辻褄がぴったりあった。
これはきっかけづくりか。冷やかしか。
勘ぐり、妄想。検証。
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平凡に今日、エンドロールは流れるだろうか。
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