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「バぁカ」
裕の顔に自分の顔を近づける。
「お前以外、好きになんねーよ」
そっと、裕の耳元で囁く。
顔を遠ざけて、裕の様子をうかがう。
そこには、笑顔の裕。
「心せんぱーいっ」
「うぜぇ!」
抱きついてこようとした裕の身体を突き飛ばす。
「…いたたたた」
起き上がる裕を横目で見ながら、悠斗のことを思い出す。
…悠斗も幸せだといいなぁ。
幸せな時間を与えるはずのモノが悠斗にそれを与えていない、というのは悲しいことだと思う。
オレには裕がいて、母さん、父さんがいて、友達がいて、幸せだと思う。
もし、悠斗になにかあるのなら、オレたちがその倍、幸せをやろう、なんて思う。
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