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「なんか食うか?」
もうすぐ夕食時。
「んー。肉じゃが!」
「…下準備、時間かかりそ」
小さな声でぼやきながら、キッチンの方に足を動かしている。
「俺も手伝うっ」
「いらん。よけいに時間かかる」
「気にすんな。洗い物くらいできるって」
狭い空間に男2人は少しきつい。
「いってー!指切ったぁ!」
調理を始めるやいなや指を切った。
出だし不調。
「もうお前、ソファー座っとけ」
「はっ。まだ、指切っただけだし」
「うぜぇ。早くいけ」
キッチンから無理矢理おいだされる。
俺としては、長く一緒にいたいだけなのに。
それに気づけないなんて、誠一もまだまだ、未熟だな。
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