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「え、あ。うん」 歯切れの悪い心先輩に気づき、裕が声をあげる。 「ほんとうになにもないの?」 「ないってば。あんまりしつこいと、嫌われるよぉ」 チャイムが鳴り響く。 「うぇ?なっちゃったぁ。裕、教室行こぉ?」 「えっ。俺、心先輩の弁当、食ってない」 「遅れた裕が悪いでしょ。じゃ、先輩、また放課後に」 「あ、うん」 裕の腕をつかみ、階段を下りていく。
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