高校に入学‐事件編‐

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工業高校。 男と女の割合は、 100人中 1人ぐらい。   俺の入った機械科は、特に女子は入らないので有名だった(らしい。知ったのは入学した後だ) だから回りは動物園のパンダを見るような目で、ジロジロと見てくる。   他に科があり、先生いわく「今年は豊作」らしい。 電気科には女子はいないが、電子機械科には2人いると言っていた。   俺のクラスにも、一人いる。 ちゃんと化粧をしていて、高校に入った祝いに長い髪を茶髪にしていた。 先生の冗談に笑う声は、なんだか守りたくなるようなか弱い声だった。   一方の俺は、一人称は「俺」「僕」だし、化粧はしないし髪は櫛でといただけ。 中学最後の文化祭で男役をやった時に切った髪を、そのまま伸ばしているからボサボサ。 スカートは膝より下。 靴下はくるぶし。   …回りの目が痛い。 高校では絶対に殴っちゃいけない。 絶対に半殺しもしちゃダメだ。   なんてはじめの一週間ぐらいは考えていた。
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