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センパイ…
ッセンパイ…
―――ポタ…―
センパイ……
僕の言葉は届くことなく
流れる涙と共に
零れ落ちるだけで…
-He,a beautiful crybaby.-
僕も相当な泣き虫だな…
声を出して泣くなんて
何年ぶりだろう
抑えても抑えても
鳴咽としゃくりが
押し寄せてくる
仕舞いには
うぅだのえぇだの
意味を成さない言葉が
後から後から零れてくる
零れ落ちる
僕の中から…
ぽっかり空いてしまった
穴から
全部が零れ落ちて
すっかり空っぽになった
僕。
どこからともなく
湧いてきて
押し寄せて
いっぱいになれば
零れていく
空ちゃった穴は
空けた本人に治してもらう
それから
また満たしてもらう
届かなかった分は
その時に言うよ
食堂車のほうが静かになったかわりに廊下に足音が響く
リュウタたちに散々責められて謝りにきたんだろう
いつものことだ
本当に
-コンコン-
「―――…亀?」
――いつものこと。
…Fin
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