青木 郁

3/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
○月○月 私は今日広場に行くのを後々後悔するとは思わなかった 今日はいつものように、溜まり場に行くと、いつもは誰かしら居るはずの公園には、誰一人居なかった…嫌、一人しか居なかった。 「あれ、青木さん、どうしたの?」 いつもなら、私を見る度にちょっかい出してくる郁は、上の空…とまではいかないものの、ぼんやりと私を見ているだけだった。 「ん、おはよぅ」 いつもとは違う話し方で引っ掛かる物を覚えた私は、何時もとは違う真面目な顔で尋ねた。 「青木さん、何かあったの?」 うつ向いたままの郁を心配そうに見下ろしているのに気付き、隣に座った。 重たい口を開いて、郁の唇から発しられた言葉に息を飲んだ 「ん、鈴と別れた…。」
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!