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「大地、二週間前からの準備じゃ遅いのか!?」
振り返ると、薄く笑う流水がいた。
「あぁ、そうだ。バカだから」
いっそキッパリと言ってやった。
「それより、お前も大変だな?秀才らしく、ガリ勉ライフのスタートか」
「別に俺、そんなに勉強しないんだけどな」
重ねて笑みを浮かべて流水が言った。
出たよ、流水のウザいとこ。
流水は博学な割に、勉強がすべてってわけでもない。スポーツもできるし、顔もそこそこ。こんな低レベル高校にいる理由だって、「家から近いから」。
要するに勉強に興味がないのだ。デキない人間から見たら、どんなに憎らしいことか!
「そういや、転校生って来るのか?」
さっさと話を反らした。デキないことを恥ずかしいとは思わないけど、デキるやつだけは実質キライだ。
「あ、ハナシ変えた」
「火香。いいじゃん、それくらい」
「枯白くんの話聞いてたらツラくなったんだ」
「そんなんじゃないって。ただ、転校生の噂ってホントかなぁって」
「その転校生、俺より秀才だったりしてな」
「もういいよ!!」
なんで?
なんでテスト前はバカがイジられるのだろう?
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