招かねざる変化

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「ホント気になりますよね、転校生」  突然風馬が口を挟んだ。   「そうだよな!気になるよな!?」    ありがとう、風馬。君のおかげでバカの迫害を生き残れた。   「風馬くん、今はそれが問題じゃないの!」  火香は風馬にまで怒鳴った。――そこまでするか?普通。   「……え、でも転校生……」   「だからそれは良いんだって!それ以上言ったら、昨日の新作和菓子宣伝しないから!……あ」    その瞬間、皆が思い出してしまった。  昨日の出来事のことを。    気まずい沈黙が続いた。誰も何も言わないのに、不思議と、みんな思考を共有しているという確信があった。   「――あの、昨日のじいさんって」    大地が話し始めたその時、授業開始を告げるチャイムが鳴り響いた。みんな、そろそろと席に向かって離れ離れになる。    ――そうか、あれは夢じゃなかったんだ。大地が心ひそかに抱いていた、現実回帰のための現実逃避も、今ここで崩れさった。
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