招かねざる変化

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 二時間目は体育だった。  大地たちはプールへ向かう。やはり、この時期の体育の授業というと、水泳しかない。   「――あぁもう、面倒臭せぇ」  流水のぼやき声を聞きながら、大地はほくそ笑んだ。   「お前、わかりやすいカナヅチだからな」   「悪いか?」  流水は不機嫌丸出しで言った。   「他のスポーツはできるのに、水泳だけはダメなんだな」   「……」   「水が嫌いなのか?」   「……」   「そんなんじゃ、枯白『流水』の名が泣くぞ?」 「――そこは関係ないだろ。マジ意味わかんねぇ」    ――おっ、反応した。っていうか、昨日から流水はその台詞連発してるな。新しい口癖か?    大地はそんなことを考えながら歩き続けた。朝のときと立場が逆転していて、妙に気味が良かった。    そんなこんなでプールに到着し、水着に着替えると、授業が始まった。
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