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「最初に言っておくが、水泳の授業は今日が最後だ。次の時間からはバレーボール」
授業の初めの体育教師の言葉に、大地は驚いた。
――なんで、なんで六月で水泳終わるんですか?生徒の夢を壊さないでください。
そんな抗議の言葉は口をついて出るわけもなく、さっさと授業始まった。
かるーく自由型二十五メートル。泳ぎ終わったらプールサイドへ上がって、そこからスタート地点へ戻る。
大地はラクに泳ぎきった。プールサイドから眺めていると、少し奇妙なものを見つけた。
派手な水しぶきをあげる、進まないジェットボート。
大地は、近くにいた風馬に声をかけた。
「なぁ風馬、あれ誰かわかるか?」
「……枯白さん、ですね」
「だよな、わかるよな!?あそこまで水中で自己アピールができる人間も珍しい」
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