招かねざる変化

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「どうした?」   「……お前さ、火香のこと好きだろ」  流水は、反対側のプールサイドを歩いている、水着姿の火香を指差して言った。   「……あぁ」  大地は火香を見つめながら頷いた。特に否定する必要もないと思った。    プールの中ではしゃぐ生徒たち。誰も二人に注意がいかなかった。見つめられている火香でさえ、それに気付いていないようだった。   「大分前からなんだろ?」   「……よくわかったな」  知られることに、さほど抵抗はなかった。妙に心が正直に、穏やかになっていた。    ところが、そんな穏やかさもすぐに崩れさる。   「お前の気持ち、みんな知ってるぞ」   「……えぇーーーー!!!!」      はしゃいでいた生徒たちが、一瞬で凍りついた。場が変な沈黙に覆われ、誰もが二人の方を見ていた。――もちろん火香も。   「……どうした、薪半?」   体育教師まできょとんとしている。   「あ、いや。……何でもないです」
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