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大地が慌てて釈明すると、場が少しずつ元の雰囲気に戻っていった。
「なんでみんな知ってんだよ?」
大地は極端な小声で言った。
「なんでって、お前の態度見てたら、誰だってわかるから」
流水が笑いながら言う。
「じゃあ、ずっと前から知ってたのか?」
「あぁ、そうだ。お前のいない所では、その話で持ちきりだったんだ」
「そんなの、掲示板サイト並みの悪質なイジメじゃんか!」
「そこまでじゃないだろ。……でもまぁ、今のところ火香本人は知らないみたいだ」
「……そうか、よかった」
もしここで火香が知ってたらシャレにならなかった。でもこれで、なんとかハッピーエン――。
「ばらすからな」
「……えぇーーーー!!!!」
またもや、場が凍りついた。
「……どうしたんだ、薪半?」
同じく体育教師の言葉。
「――あ。い、いや、あの。ホントになんでもないんです。スイマセン」
動揺のあまり、火香の方に向かって謝っていた。不思議そうな顔をする火香。
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