招かねざる変化

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「どうしてお前は、そんなに声量が張るんだよ?」  もっと不思議そうな顔をする流水。   「お前がそんなこと言うからだろ!それで、なんでばらす必要がある?」  大地には大地なりの告白へのプロセスがあった。それなのに、流水に告発されるとすべてが水の泡だ。   「復讐」   「……復讐?」   「あぁ。この一時間、俺をさんざんコケにしたから」    大地は絶句した。   「考えてもみろよ。どうして俺がこのタイミングで、このことを明かす必要があるっていうんだ?」    まぁ、それもそうだけど……。   「いいか。これ以降、今からお前が死ぬまで、俺のカナヅチのことを一言でも口にしたら、火香に告げ口して、さらにお前の気持ちを2ちゃんねるに書き込んでやる」   「……わかりました、もうしません」    流水の剣幕に押されて、大地は敬語口調で頷いた。      そのとき、体育教師の笛が鳴った。集合の合図だ。
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