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「……」
「……」
「……」
「……」
いつもと同じメンバー、同じ帰り道で、家路を辿っているのに――。
どうしてこんなに会話が弾まないのだろう?
改まって四人だけの空間になると、何を話して良いのかわからない。頭上は今も青い空。その明瞭さに、どうしても乗りきれない四人だった。
「……じゃあな」
「……おう」
ここで流水とは別れた。なんということだろう。ついに一言も交わせないとは。
明らかに、四人の中には「共通の認識」があった。ただそれが、あまりにもシンクロしているから、現実に対するタブーであるから、誰も口火を切れなかった。
「……じゃあ、僕はここで」
「……あぁ」
風馬とも別れた。
大地と火香は二人で帰っていた。言葉も交わせないまま――。
太陽の下辺が、わずかに地平線に沈んでいた。空が少しだけ緋に染まっていた。夏のくせに、変に憂愁にそそられた。
「……ねぇ」
火香がそう切り出すのが聞こえた。
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