六時二十分 夕暮れ

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「そういえば、おじいちゃんが新しい創作和菓子作ったんですよ。試食でもしに来ませんか?」  突然風馬が言った。彼の祖父は、昔気質の和菓子職人だ。   「マジで?行く行く」  早速大地が乗った。 「私も」 「いつかみたいに『ご家族にもどうぞ』とか言って、一箱タダで貰えたりしてな」 「そんなこともありましたね」 「風馬ん家は、なぜか商売意識が薄いからな」  風馬が笑う。    とかどうとか言いながら、四人は和菓子屋に向かっていった。    誰も気にしていないことだけど、時刻は午後六時を指そうとしていた……。
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