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「火香、今何時?」
大地はこともなげに聞いた。火香は携帯電話を開いているから、時間がわかるはず。でも、そもそも特別時間を知りたがる理由もなかった。
「六時二十分」
これまた火香もこともなげに答えた。
その時だ。その老人が現れたのは。
老人は、いわゆる魔法使いの格好をしていた。サンタクロースのような白髭は長く、薄汚れた灰色のローブを着て、長い杖をついていた。
老人はゆったりと和菓子屋に入り口から入り、四人の近くの席につくと、まじまじと彼らを見つめた。四人はサッと視線を反らせた。
言うまでもないが、老人の第一印象は「変人」だった。うわあ、秋葉原じゃなくても、こんなヒトいるんだ、みたいな。
大地はこらえきれなくなって、火香に小声で話しかけた。
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