六時二十分 夕暮れ

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「術師?それってどういう――」   「わかった!あんた、俺らの名前をどこで仕入れた?」  突然流水が口を挟んだ。 「今じゃ、個人情報さえも商品だって言うからな、金さえ払えば容易いことだろう。俺らに何するつもりだ?わざわざ情報手に入れて」    老人は眉をひそめた。 「何をごちゃごちゃ言っておる。おぬしらの名前は、わしに『知られるべくして』知られたのじゃ。その運命はおぬしらが生まれた時、命名された瞬間に決まっておったのじゃ」   「意味わかんねぇ……」  今度は流水が眉をひそめる番だった。   「分からなくて結構。よいか、おぬしらは『選ばれた』のじゃ。選ばれた者には、しかるべき役目がある。 さあ、『授流の義』を始めようぞ!」
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