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「………」
シーラは椅子に座り、再び彼の顔を見つめ続けた。
「…何故……」
「……?」
彼は天井を見つめたまま、シーラに問掛けた。
「…何故、助けたりしたんだ…?
私は、お前を避けていたのに…。」
「…………。」
もちろん、シーラに答えられる術はない。
(…だってあなたは……)
シーラは、天井を見つめ続ける彼を、見ながら思っていた。
(…だって、あなたは私が生きてたら…
困ってる時に、きっと助けてくれるでしょう?)
「…なぁ…」
沈黙を切り出したのは、彼の方だ。
「…私は、二度と教会に戻らないかもしれない…」
(…!)
シーラは黙ったまま驚いた顔になる。
「…いや、お前のせいにはもうしない…。」
シーラの顔を予想して、彼は慌ててそう言った。
「…お前のことも、何処かに捨てたりしないが…。
お前みたいなものでも、面倒見てくれる所を、最期まで探してやる。」
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