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イブなんとか
ある風の強い夕暮れ時。
僕は駅から高架沿いを歩き、家路についていました。
すると少し離れた場所で、見る訳でもなく視界に入ってくる目立つおばさん三人。
歩道で立ち止まり、騒がしく二人がかりで一人にやいやい言っています。
歩道はおばさん達に占拠され、通行止状態。
やつらの辞書にモラルの三文字はありません。
会話の内容
おばA
『あんた、ここらへんにすればいいのよ!』
おばB
『そうそう。ここらへんの方がいいよ』
僕
(そうそう、おばちゃん!俺も絶対ここらへんがいいと思うよ!)
って僕は何も言ってませんが、おばA&Bはそのような事をおばCに対して言ってました。
何してんだ…?
そう思い、おばさん三人をよく見てみると…
二人がかりで、おばCのイブマーレ
(髪の薄くなってきた女性がつけるカツラみたいなの。正式名称違うかも)
をこれでもかと動かしてました。
当人のおばCも恥ずかし気もなく
『そうねー♪』
なんて言いながら位置を微妙にずらしてました。
ヅラしてました。
悲しくなりました。
そんな衝撃現場を見てしまった僕。
あんたら…人前で…
しかも、人行く歩道を塞いでまで…
いいえ違います。むしろ僕が言いたいのはそんな事ではありません。
おばさんC…おばCよ…
そんぐらいオープンなら、んなモンつけんな。
夕日がやけに目に滲みました。
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