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『今、私とても幸せよ。旦那は優しいし、子供も可愛いし…』
先に言い訳を言っているようだった。
『ただね…たまに、あなたの事を思い出すの』
『なぜ別れたんだろう?…って』
『別れた事に、後悔してるんじゃない、憎んでた訳でもない、ただ、理由が…』
一言一言確かめるように、グラスに向かって彼女は言っていた。
「それは、俺も同じ事を思ってたよ」
やっと彼女が顔を向けてくれた。
『ちゃんとお別れしないとね…』
彼女の手が俺の手の上にあった。
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