二度目の出逢い

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昨夜の動揺など無かったように、目覚まし代わりのCDが鳴る。 『🎵………この悲しみをどぅすりゃイイの、誰が僕を救ってくれるのぉ~』 (誰も救ってくれねぇよ) 起きる時の歌詞にツッコミ入れながら、ベッドから出る… 哀しい習慣が、身に付いたものだ。 いつもと変わらない朝。 いつもと変わらない仕事。 習慣的な恋人とのデート。 本当に何も変わらなかった…あのドアを開けるまで…。 結婚式当日、式前に、からかい混じりの祝辞を、二言三言ヒロシにかけ、「それじゃぁ」と会場に向かう。 会場のドアを開けると、捜したわけでもなく、正面に居るわけでもないのに、その姿が目に飛び込んできた。 (あっ…!) 何とか声になる前に押し殺せたが、彼女は気付いたようで、俺に向かって軽く微笑んでくれた。 昔、待ち合わせの場所に着いた時のように……。
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