水面

1/1

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ

水面

満月がそっと揺れているある夏の晴れた日の夜  長い旅の途中に僕は   愛しい人と過ごした瞬間の残り香を探してる   満月が優しげに揺れている           ゆっくりと湖の上で   君はここにいたんだね  ほんの少し前まで    僕の腕の中で微笑んでいたのに         なんて愚かだったんだろう            僕は何もわかっちゃいなかった         明日がどうなるのかさえも           あぁ          僕は本当に愚かだった  どうしても一歩が踏み出せなかった       何となくわかっていたのに           終りが来ることを    昔の恋愛模様が     羽根を休める鳥のように湖の上を漂っている   君はここにいたんだね  ほんの少し前まで    僕の腕の中で微笑んでいたのに
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加