ささやかな休息?

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「ちょっといい?」 躊躇わずに、俺は上山達に近寄ってそう声を掛ける。 若干一名には睨まれたが……こっちに用があるんだから来てんだよ! 「護衛の件で、だけど、『ふれあい合宿』は多分出席番号順だろ? なら、同じ班になった人でってことで」 と、俺が無表情でそう言うと、 「仕方ないか」「まぁ、それで」「嫌だー!」 上山、山杉、坂巻がほぼ同時にそんな言葉を返してくれた。 具体的に纏めると、 ・片良木慎と上山奈々子 ・朔真酉こと俺と坂巻衿 ・林創也と山杉理英 といった組み合わせ。 そして、まぁ予想通りの反応が返って来た訳で、俺は小さくため息をついた。 「嫌なら、坂巻。みんなが納得する代案を頼む。お前のワガママぐらいになら、付き合っていいし、よ」 「う………………ちっ」 無表情に、目を逸らさずに俺がそう言うと、坂巻はほんの少し唸っただけで目を逸らしてから舌打ち。 露骨に嫌そうな態度だったが、それでもなんとか収まってくれた。 なので、俺もそれ以上の詳しい取り決めなんかのことは言わずに、少しだけ安穏とした気分で自分の席につく。 次の時間の、『ふれあい合宿』に関する話し合いがあるまでは。
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