ささやかな休息?

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         △ 昼休みが終わり、クラスの担任が帰ってくると、 「はいはーい、みんな早く座れー。『ふれあい合宿』の班、くじ引きで決めるからー。わかったら早く座れー」 そんなことを当たり前のように口にしていた。 創也や慎からは微妙に非難されるような視線を。 上山や山杉からは少しだけ不思議そうな視線を。 坂巻にいたってはかなり嬉しそうな視線を。 それぞれ五人からのそれを、俺は仕方なく受け止めるしかなかった。 「紙はもう作ってるんで、出席番号の最初と最後ジャンケンしてくれ。勝った方から引くことー」 担任がそう言い終わると、男女ともに二人づつが立ち上がる。 他の生徒達がはやし立てる中、最後から近い浜田なんかはかなりの大声で応援していた。 クラスマッチ以降、この組は何かと騒がしいクラスだとわかっていたので、俺はやや傍観するようにその結果を見守る。 大勢の掛け声で出された勝敗は、男子は最初から、女子は最後からとなった。 「はーい、じゃあ一人づつ取りにこーい」
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