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「じゃ、とりあえず班ごとに集まってくれ」
担任の言葉によって俺達生徒は一斉に席から離れる。
俺はくじで引いた通り、二班の場所にたどり着いた。
ザッと、そこにいるメンバーを見渡していると、
「どうかしたの、朔真君?」
「ここに座りたくないのなら、どっかいけ」
「エリちゃん、それはちょっと……」
「早く座りなよ、朔真くん」
「そそ、早く座れって」
さっきと変わらないメンバー五人が、そんなふうに俺に話かけていた。
別にみんなでこの班に集まろうとした訳ではない、たまたまこうなっただけ。
正直、誰が仕組んだんだ、と叫びたいほどの仕組み具合だった。
勿論、くじを引いたのは誰でもない自分達で、そこに誰かの意図が関与したなんて事実が在るはずがない。
だからといって、まるで計ったかのようなこの班分けは、一体どのぐらいの偶然が重なったら成るものなんだろう?
なんてことを頭の隅で考えながらも、とりあえずは創也と慎の間に挟まれるようにして第二班の席に腰を落ち着けた。
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