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「この時間で係り決めないといけないんだよね。誰が何をする?」
慎のそれに、すぐにはみんな答えなかった。
こういった行事の係り事なんて面倒なのが大半だ、率先してなりたいのなんてないに決まっている。
そんなふうに俺が考えていたからか、
「僕は、朔真くんが班長がいいと思うんだけど」
何故だか、慎がそんなことを呟いていた。
「は? え? いやいやイヤイヤ、なんで俺なんだよ?」
予想だにしていなかったからか、思わずそんなふうに俺は返してしまう。
「私も、それでいいかと……」
「うん、朔真君だしね」
それをどう捉えたのか、山杉もそんなふうに呟いて、しかも上山までそれに同意。
全くもって意味がわからなかった。
「ちょっと待ってくれ。なんでそんなあたかも“適任です”みたいな空気を作り出してるんだ? 班長なんて絶対に嫌だぞ」
「でも朔真くんは僕達のリーダーみたいなものでしょ? 実際適任じゃないか」
本気で嫌がっている上に狼狽する俺に向かって、慎は至って真面目な顔と口調でそんなふうに続ける。
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