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「何泊だっけ?」
「確か、三泊四日って聞いたけど?」
「えーと、来週の月曜からだよね……どうするの? 今日を入れても後三日しかないよ? みんなはゴールデンウィークの間に準備しちゃったらし」
金曜、学生にとっては健やかなる休日を間近にした安息日の昼休み。
朔真 酉こと俺は、学生にとっては貴重とも言える昼休みを、クラスの友人と来週にある学校行事のことで相談をしていた。
教室ではなく、広くはない廊下に出て俺の話を聞いているのは、行事期間を教えてくれた林 創也と、俺達に残された時間を教えてくれた片良木 慎。
創也は全体的に今時の男子で、俺よりも背が高くて短い黒髪が少しうねっている以外はあまり特徴のない奴だ。
俺と同じ軟式テニス部の部員で、元硬式のテニス経験者。
“天才少年”なんてふざけた称号を手に入れてしまった俺に、分け隔てなく接してくれる、俺にとって希少な存在でもある友達だ。
……いや、あとテンションにムラがある、微妙に個性の強い奴でもあるんだが。
もう一人は、我が幸永中学唯一の強豪部活動、野球部員の慎。
身だしなみがいつも優等生以上で、そこは素直に尊敬できる俺のもう一人の友達。
坊主に糸目と、よく見ると筋肉質の体は他人と見間違うことのない、良い意味で顔を覚えやすい奴だ。
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