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しかし、memからの報告によると、ゴールデンウィーク事件の首謀者二人の内、一人は何者かによって殺され、もう一人は逃亡。
組織としても俺としても、敵の情報を山ほど持ったソイツに逃げられたのは痛手以外のなにものでもない。
それでもある程度の情報は引き出してくれていたので、“俺への報告”も、そう悲観せずに待っていてもいいだろう。
……俺の特体の力が、まだ覚醒の領域に達していない事実は、少し落ち込んだが。
―――
「ゼノ君の特体はイメージした形を維持した水を作り出す能力でしょ? “覚醒”になると元からあった能力が安定した力を発揮出来るようになることと、それとは別に新しい能力が身につくことになる筈なの。つまり、“覚醒”に近いているからこそゼノ君は作り出した水の温度を操作して氷まで作れるようになってるのよ。まぁ、君なら“覚醒”にはそのうちなれるだろうから、しっかりと頑張りなさい」
―――
……今思い返してみても、何をどう頑張ったら覚醒出来るのかぐらいは教えろってんだよ。
まぁ、上司の話を鵜呑みにするのなら、“能力の発露”から“能力の覚醒”になるのは時間の問題らしいし、この合宿が終わるまでぐらいにはしときたいもんだな。
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