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ドアは白く立派なドアだ、簡単には壊れないだろう。
その時、結衣はやっと自分が普段の生活とはかけ離れている場所にいる事に気づいた。
エリックの部屋と言っていたが、学校の教室三部屋分よりも大きい。
天蓋付きのベッドに、暖炉、小さく細かい装飾の家具。
高そうな絵画や剣まで飾ってある、まるで映画に出てくるお金持ちそのものじゃないか。
「エリック様ー、そこにいらっしゃるんでしょう」
ドンドン
「フローレンス、今開けるよ」
エリックはドアの鍵をゆっくりと開けると、またこちらに戻ってきた。
エリックをまじまじと見る。
胸に金色の刺繍が入った白いシャツに、白いズボン、黒いサスペンダー。
上着は部屋のテーブルの椅子に掛けてあるが、どれも高そうな服だ。
まるでエリックは…
「エリック様!」
ドアが勢いよく開いた。
入ってきたのは、結衣とそう変わらない年齢の少女だった。
少し赤い髪に、つり上がった眉と茶色い眼、そして一番目に付いたのは紫のロングドレスだった。
フローレンスが入ってきたと同時に、エリックは結衣を庇うかのように結衣の前に立った。
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