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あの光は何だったんだろう
夢にしてはリアルだった
「うーん…」
結衣は寝ぼけながら、ふかふかのベッドで寝返りをうった。
私のベッドってこんなにふかふかで、寝心地良かったっけ?
枕を触ってみたが、やはり何かが違う、何かが。
恐る恐るゆっくり眼を開けた。
「?!」
声が出ないほど驚いた。
見たことのない景色がそこにあったのだから。
しかも、目の前にはこちらを向いて本を読んでいる少年がいる。
金髪の少年は本に夢中なのか、こちらには気付かない。
背中に汗が伝った。
夢、まだ夢を見ているんだ。夢だ、早く起きろと結衣は自分に言い聞かせた。
すると、少年は突然パタンと本を閉じて視線を上げた。
パチッと眼が合った瞬間、青い瞳を少しだけ見開いたが、すぐに優しい眼をした。
「気がついた?」
「………」
結衣は何を口に出せばいいか分からなかった。
金色に輝く髪に青い綺麗な大きな瞳、鼻が高く口元は微笑んでいた。優しそうな気品のある顔をしている。
普段、こんな人などテレビで見るくらいだ。
目の前では見たこともないし、だから勿論会話なんてしたことない。
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