目眩の渦

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緩さか過ぎる風 冷たすぎるから肌の青白さを増す 倒れ込んだコンクリートの上 飛ばされた記憶 飛ばされて折れ曲がった身体 愛してた 愛していたから殺されよう そう思ってた 本望よ だから眼は開けない 分かってるから 気づいてた だから私は動かない もうすぐ櫻が咲くのね あなたと過ごした季節だから春は好きよ 淡い世界で生きてきた それだけで十分なの ありがとう 私は目眩の中で永遠に生きよう あなたをこれからも愛しながら渦巻くこの空に溶けて 眠ろう
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