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顔を上げると、MADMANは琥珀色の液体が波打つ珈琲カップを眺めていて。
先刻から一向に、隆の方を見ていない様子だった。
そんなMADMANを見て、隆はしばらく考える様子を見せる。
そうしてしばらくしてから、一言呟いた。
「俺は、母と決着をつけたい」
「……辛くなるぜ?」
「それでも、俺はもう決めたんだ。この先にあるのがどんな未来だとしても、楓と生きるために……。もう二度と、逃げたりはしないって」
隆の決心の程を確かめるように、MADMANが正面から鋭い視線で睨んでくる。
それを受け止める隆の瞳に、一切の迷いは無い。
そんな雰囲気をきちんと受け止めたのだろう、MADMANは小さくため息を吐くと、呆れたように肩をすくめる。
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