第三話・―幸せを呼ぶ泪―

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「こいつの家には、当分帰らない方が良いだろうな。先刻試しに行って見たが、素人でも分かる程、監視がうじゃうじゃいる」 「ふぅん、そりゃ大した情報収集力だ」  書類に目を通しながら、どうでも良い風に呟きを漏らすMADMAN。  単に状況を楽しんでいるだけなのか、それとも本当にどうでも良いのか、そこのところは隆にも図りかねてしまう。  そんな風に黙っていると、MADMANとキラー・ビーの二人は。  隆を置き去りにして、なにやら作戦会議を始めてしまった。 「それで、これからどうする」 「そうだなぁ、取り敢えずあの女の行方と。組織の規模を調べ上げる事、それが先決だろうな」  キラー・ビーが言うのに、MADMANは呑気なもので、咥えたままの煙草から紫煙を吐き出しながら、机に頬杖をして言う。
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