第二章・―過去との対面―

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「あぁ、こりゃあ……見事に無くなってるなぁ」  MADMANが開口一番言ったのは、ただの素直な感想だけだった。  それもその筈、つい数日前までは、この辺り一帯にあった建物が。それこそMADMANの言う通り、“見事に”無くなっているのだ。  門の前には白い看板に、売り地、とだけ赤い文字で書かれている。  あの騒動があった後、もう一度隆達がここにやってくる可能性を考慮しての、相手側の一手なのだろう。  目の前には更地しか広がっておらず、当然こんなところを無闇に捜しても、目新しい手掛かりは一切出てこない筈だ。
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