~にんぎょ~

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それからなんねんかは さかなはほんとうにしあわせでした ははおやとなったにんげんも ちちおやとなったにんげんも とてもあいしてくれたので しかし 「がっこう」というものにはいったときから なにかがおかしくなりました おなじくらすのにんげんのこどもたちが さかなをみるとひそひそとなにかをいうようになったのです さかなはふしぎにおもい こどもたちにたずねました 「なにをはなしているの」 するとこどもたちは いじわるそうににやりとわらうと 「だってあなた みにくいんだもの」 「えっ」 こどもたちはどっとわらいました 「なんかそのめ、しんでるみたい」 「あごがでてて、ぶかっこう」 「ぶくぶくふとって でぶ」 さかなはそれいじょうきいていられなくて にげだしました こどもたちのわらいごえがうしろにひびきました
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