死体とトランプ

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ジャックは車で出掛けた。行き先は勿論、事件現場である。マイク警部の話によると、今朝の六時半頃、町の真ん中を流れるデルタ川の下流で、男が倒れているとの通報が入ったらしい。警察が現場に駆け付けると川の岸辺に男が胸にナイフを刺したまま、仰向けに倒れていたということだ。そういうことだけだったらジャックは動かないのだが、マイク警部の一言が気になって出掛けることにした。「少し奇妙な事がある。」と。しばらくして、彼は現場近くに到着するやいなやマイク警部に会った。 「すまんな、また呼び出したりして。」 彼は決まり悪そうな顔で言った。しかし、ジャックはただ微笑んだだけ😃であった。こういうのはいつものことであったからであろう。 [まずは、死体の調査だ]早速彼は死体を調べてみた。なるほど、確かに聞いた通り、胸にナイフを突き立てて死んでいた。即死だったのだろうか、他に目立つ外傷はなかった。 「死んだのはこの近くの大きなバーの関係者で、名前はビーク・スパルト、22歳だ。」 後ろからマイク警部が声をかけた。 「死因は見ての通り、刺殺。凶器はそのナイフだ。」
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