死体とトランプ

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ここはある町の郊外にある一軒家。ここに住む人物こそ、名探偵ジャック・アルダーである。歳は二十代後半でスーツをビシッと決めて、やや細めの顔に眼鏡をかけ、片手にコーヒーを持ちながら新聞を読んでいる。いつもならこの時間はゆっくりと新聞を読んで、世界の流れを感じるのだが、今日はそうではなかった。事の始まりは一本の電話であった。 (ジリリリリッ、ジリリリリッ) 電話のベルがけたたましくなる。彼は大切な一時を邪魔されたのが腹立たしいのか、不機嫌そうな顔😠で電話にでた。 「はい、もしもし。ジャック・アルダーですが。」 「ジャック君か?私だ、私。」 受話器の向こうから聞き覚えのある声が。 「やあ、これはこれは。マイク警部ではありませんか⁉」 彼は町の警察署に八年勤めているベテラン警部であり、ジャック・アルダーの理解者である。 「すまんな、朝早くに電話を入れてしまって。今、時間あるかな?」 マイク警部がこの言葉で繰り出す時は殆ど事件が絡んでいるのだ。 「ええ、開いていますが・・・・・・もしかして、事件ですか?」 「ああ、殺しだよ。若い男性がナイフで一突きされてな。」 どうやら早速出番が回ってきたみたいです。
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