ヒロイン

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平山は楽しそうに人生論を語っている田原のよそ目で,時計を気にしながらソワソワし始めた   田原「どうかしました?」   平山「あ,ちょっと御手洗いに行きたいと思いまして…💧」   田原「そうなら早く言えばいいのに! 御手洗いは,ここを出て真っ直ぐいった突き当たりに有るよ🎵」   平山「{社長がズバズバと喋りまくるからだ💧行きたくても行けないだろ💧}」   田原「何か言った😃??」   平山「い,いや💦何も💦では行って参りますします!」   ガチャ! タッタッタッ…!   平山は逃げるようにトイレに駆け込んだ   キィ…バタン!   平山「あの人と喋っていると,何時終わるか分からないな💧 取り敢えず,部長にこれまでの経緯を連絡しよう」   平山は胸の内ポケットに有る携帯電話を取り出した   ピパポパポ! トゥルルル…トゥルルル…   ガチャ!   平山「あ!もしもし営業課の平山麻人ですが!!」   電話に出たのは,南那株式会社の佐藤秘書だった   社内では結構美人でスタイルも評判もいいが, 一時期,社長と不倫関係が噂されていた   しかし,本人はキッパリ否定 今や暗黙のタブーとなりつつ有る社内では極秘とされ,口をしたものは地獄を見るとか見ないとか…   今はそんな話をしている場合じゃない 平山は部長を呼ぶように言ったが   佐藤「御生憎様,社長は只今外出しておられますよ」   平山「あぁ!そうかぁ!」   平山は溜め息を吐き,ガックリ肩を落とした   佐藤「社長に何か御用ですか? 何なら私が社長に伝えますが?」   平山「なら仕方ないな… それじゃ,今言う事をメモしてくれ」   佐藤「はい,分かりました。 …どうぞ」   平山「―って訳で,取り敢えず他の社員を寄越して欲しいと伝えてくれ」   佐藤「はいはい… あ,ちょっと聞いても良いですか?」
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