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「おはよう」
いつもの様に明るい、ひなたの声。
「…おはよう…」
僕は、つぶやく様に返事をした。
その返事が気に入らないのか、ひなたは、かなりふて腐れている。
「優牙、たまにはまともな返事しなよ。こっちまで気分が暗くなるし。」
睨み付けるこの子の名前は、日浦ひなた、中学校からの同級生で、僕が女の子の中で1番仲のいい友達だ。同じ学校に通っているからと、いつも一緒に登校している。
「ごめん、最近眠れなくて…」
朝に滅法弱い僕は、園田優牙、年齢のブランドとも言える17歳の高校2年生だ。
「もぉー、暗過ぎー。少しは元気な声を出しなよぉー。」
「うっせぇなぁ、朝から元気に挨拶なんかしてたら、夜までもたないし。」
「優牙、いつも授業中寝てるじゃん!そんなに寝てたら、頭の中ツルツルになっちゃうよぉー?」
「ウッセェ、すでにツルツルなんだから、いいの!」
「てかぁ!優牙、遅刻しちゃうよぉー?急がないと!!」
駆け足になった、ひなたを追いかける様に、僕も学校へと急いだ。
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