‡†第1章†‡

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「おはよう」 いつもの様に明るい、ひなたの声。 「…おはよう…」 僕は、つぶやく様に返事をした。 その返事が気に入らないのか、ひなたは、かなりふて腐れている。 「優牙、たまにはまともな返事しなよ。こっちまで気分が暗くなるし。」 睨み付けるこの子の名前は、日浦ひなた、中学校からの同級生で、僕が女の子の中で1番仲のいい友達だ。同じ学校に通っているからと、いつも一緒に登校している。 「ごめん、最近眠れなくて…」 朝に滅法弱い僕は、園田優牙、年齢のブランドとも言える17歳の高校2年生だ。 「もぉー、暗過ぎー。少しは元気な声を出しなよぉー。」 「うっせぇなぁ、朝から元気に挨拶なんかしてたら、夜までもたないし。」 「優牙、いつも授業中寝てるじゃん!そんなに寝てたら、頭の中ツルツルになっちゃうよぉー?」 「ウッセェ、すでにツルツルなんだから、いいの!」 「てかぁ!優牙、遅刻しちゃうよぉー?急がないと!!」 駆け足になった、ひなたを追いかける様に、僕も学校へと急いだ。
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