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森の夢
いつだったろうか?小学生の私は夢を見た。その日の日記に忘れたくなくて書いておいたくらい私には大切なメッセージのある夢に思えて仕方のない、すばらしい夢だった。
私はしんとした暗い森を裸足で歩いていた。ざわざわ意地の悪い木が騒いでおどかしてくる怖い森だった。私はこの森が嫌でたまらなかったけれど、「出口はない」とあきらめていた。 けれど、途中で白いフードのついたマントを着た私と同い年くらいの男の子に出会った。彼はマントの中からすっとランタンを取り出した。その中には付いたり消えたりする光の粒がたくさん、灯の代わりに蛍が入っていた。 彼はフードを被っていたのて゛、あまりよく見えなかったけれど、整った顔をしているのがわかった。
だから、にこっと微笑まれると子どもの私でも、どきっとした。そして彼はにこにこ笑いながら私にランタンを渡して、遠くを指差した。その方角には私が諦めていた出口があった。 私は彼に「ありがとう」と言おうとしたけどそこで母の罵声で目が覚めた。
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