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――真っ暗?…
あぁ…
そうか、私。寝てる…?
起きないと。
『……ん?……っ痛。』
重い瞼を無理矢理開けると視界はぼんやりと辺りを映し出す。
良かった、死んでない。
ここ、何処?
『起きたみたいですよ。…はぁ良かった。気分はどうですか?』
笑顔の優男が自分を覗き込み何か喋り掛けてきている。
何だろ?聞き取れない。
視界は少しずつ良く見えるようになってきている。
それでも、起きたばかりだろうか。何か喋り掛けてきているのは分かるのだが聞き取れない。
『大丈夫ですか?』
心配そうにまた、優しそうな声の男が訊ねる。
―今度は聞き取れた。
『ハ…ゲホッ…っ…』
喋ろうとした時、上手く呼吸が出来ずに咳き込むと先程までは感じられていなかった腹部に激痛が走る。
痛みに眉を寄せる。
男は慌てて水を飲ませてくれた。
『…ぁの、大丈夫です』
答えながら女はベッドに腕を付き起き上がろうとすると、その優男がそっと背を支えてくれた。
『ありがとうございます』
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