聖職者は血濡れて

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『あー腹減ったぁー』 ジープの後部座席で悟空がお腹の音を起てながら叫ぶ。 『うっせーな?せめぇんだから、動くなバカザル』 騒ぎ出す悟浄と悟空達を乗せ、ひたすらジープは走り続ける。 もう半日になるだろうか。町を出るときの宿の主人の話では、然程広くない森を道にそって抜ければすぐにまた町があると言っていた。 なのに、さほど広くないはずの森の中を半日走りっぱなしだと言うのに全く森を抜けれそうにない。 しかも、道と云うにはかなりの語弊があるだろう。 森の中を人が何度も通って自然に出来た様な獣道。 どうにか車が一台通れる程度の幅しかないのに、たまに岩やらが邪魔をする。 せめてもの救いは、この森が殆んど平地に近かった事と一本道しか無いため迷わずにすむことだ。 『なぁ八戒。いつになったら出られんだ?もう限界』 相変わらず悟浄と騒いでいた悟空が愚痴を漏らすように尋ねてくる。 『あはは。いい加減、出れる筈なんですけどねぇ。まさか迷ったって事は無いでしょう。ねぇ、三蔵』 『あぁ流石に迷うことはねぇーだろうよ。』 頭に怒りマークを付けた三蔵が不機嫌に応える。 『ですよねー。二人とも静かにしないとそろそろ三蔵が………って遅かったですかね』 騒がしさにキレた三蔵が後部座席の二人にめがけ思いっきり盛大な音を経てながらハリセンを食らわせる。 『ぎゃっ?いって~』 二人は頭を抱え叫ぶ。
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