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『退いて…』
いきなり悲鳴に似た叫び声。
反射的に三蔵はハリセンを片手に持ったまま後部座席の遥か後方まで眺める。
悟浄と悟空は先程叩かれた場所を撫でながらキョロキョロと辺りを見渡す。
『三蔵。しゃがんで!!』
慌てて八戒が三蔵に叫ぶと三蔵は座席に膝を置き上体を起こしたまま八戒の方へ顔だけむける
ついでに他の二人も視線を前に向けた所で異様な光景を目にした。
『なっ…』
気付いた時には直ぐ目の前で、杖の様な物に股がった女が上空からグラリと三蔵めがけて落下してきていた。
慌てて体ごと振り向くのが精一杯で巧く受身の体勢をとる事も出来ないまま、女が落ちてきた。
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